ギャルゲー対談
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「ギャルゲーのアニメ化」
投稿者:たつき&十五夜  投稿日: 2月14日(木)20時38分58秒


たつき「えぇ、また始まってしまいました。予告も無しにこのコーナーが・・・」
十五夜「俺らの中でだけ恒例行事だけどね」
たつき「で、今回のテーマですが。ずばり“『Kanon』のアニメ化について”(注1)なんですが・・・・。どうですか、そのへんは?」
十五夜「まぁ、放送開始記念ってことだね」
たつき「しかし、ときメモ(注2)の失敗(注3)が頭をよぎるんですよねぇ(笑)」
十五夜「いやぁ、あれはアニメを作るべきときに実写映画(注4)作っちゃったから(笑)。OVA(注5)を見たってやつ一人も知らないよ」
たつき「確かに、俺の知ってる限りでもいねぇな(笑)」
十五夜「結局ときメモ2も3もアニメにだけはなりそうにないしね(注6)
たつき「そうだね。で、話を『Kanon』に戻してみるか。DCで出た全年齢版のボイス付きのやつが売れたからって、発売してから大分たつのにいまさらアニメ化ってなんでなんだろうね」
十五夜「それはやっぱり18禁のゲームをアニメ化する踏ん切りがなかなかつかなかったからじゃないかな」
たつき「でも、他のギャルゲー(この場合エロゲーといったほうが正しいか)もOVAでは散々アニメ化してるよな。やっぱりTVってところがネックなのかな?」
十五夜「それはそうでしょう、『To Heart』(注7)くらいしか前例がないしな。結局、エロじゃないセングラ(注8)とかは、とっくにTVでやったし(『センチメンタルジャーニー』(注9))」
たつき「『To Heart』も発売してから大分たってからのアニメ化だったもんな。ようは、もともとがエロゲーだって言う認識が薄くなってからじゃないとTVにはしづらいってことなんだろうね」
十五夜「というか、エロゲーなんて狭いジャンルだからさ、ある程度時間おかないとアニメ化するほどに人気かどうか判断しづらいんじゃない?」
たつき「なるほどね。でもこのまま『Air』(注10)とかがアニメ化されていくと、なんか新しいジャンルが生まれてきそうだよね。エロ→コンシュマ用→アニメみたいなメディアミックスがしやすい作品のジャンルがさ」
十五夜「でも、ゲーム界の事情としては普通のゲーム(FF、ドラクエなど)のアニメ化が実はいまいちだったからコアなファンのいるエロに目をつけたんじゃないかと」
たつき「でも、稀有な例だけどエロ→TVアニメって言う進み方をした『下級生』(注11)はどうなのよ?」
十五夜「それこそコアなファン向けだろう。東京じゃ放送されなかったし(笑)」
たつき「まぁ、ゲームの雰囲気を壊さずにうまくアニメ化してくれたらなんでもいいんだけどね」
十五夜「そういえば、テレ東ってアニメのエッチな描写に厳しいらしいね(注12)。『Kanon』もその昔『レモンエンジェル』(注13)を放送していたフジテレビがやってるね(笑)」
たつき「じゃあ、もしかしたら・・・・・あるのか?ああいうシーンが・・・・」
十五夜「いやぁ、せいぜい『BOYS BE…』(注14)レベルのエッチだろ(笑)」
たつき「テレビだもんね(笑)無茶はしないか(笑)」
十五夜「できないこともないと思うけど。『ブルージェンダー』(注15)ってアニメはベッドシーンがあったから(笑)」
たつき「じゃ、ちょっとは期待してもいいと(笑)」
十五夜「でもベッドシーンこそゲームの世界観を壊したとかいってゲームファンが怒りそう(笑)。奇跡は起こらないから奇跡っていうんですよ(獏)
たつき「そうかもね(笑)」

つーことで『Kanon』のアニメ、実際には二人とも見てないのだけども、(注16)
見てる人がいたらどんなもんなのかおせーてね☆
教えてくれないなんて、そういうこと言う人キライです(笑)

追伸:一晩に2話放送というタイムテーブルはなぜ?(注17)

http://www2.ayuayujanaimon.com/ayu.html(注18)







注1
:タイトルにあるように、最初は「ギャルゲーのアニメ化について」だったのだが、ほとんど『Kanon』の話題中心になってしまったので、書き込む直前にこのように修正したと記憶している。『Kanon』はkey製作のWin用18禁恋愛アドベンチャーゲームで、1999年6月発売。2000年にはWin用全年齢対象版とドリームキャスト版が発売され、2002年にはPS2版もリリースされた。詳しくは「往復書簡『Kanon』〜最後尾の旋律〜」を参照のこと。


注2
:恋愛シミュレーションゲーム『ときめきメモリアル』のこと。もともとはPCエンジンでヒットしたソフトで、プレイステーション版の大ブレイクにより恋愛シミュレーションの草分けとして不動の地位を築いた。この草分けという位置づけには重層的な意味があり、18禁ではない広義の美少女ゲーム(ギャルゲー)というジャンルの確立、PCからの移植作ではないコンシューマー機初のギャルゲー、あるいは同じくPCからの移植ではない育成シミュレーションゲームとして初のヒット作などなど、ゲーム史的に大変重要な作品であることは疑いようがない。そして、ゲームとしてとにかく面白い。当時最大シェアを誇ったPSに突如現れたこのギャルゲーは、いわゆるオタク層だけでなく一般のユーザーをも多く獲得していたことは確認しておこう。この頃はまだこの手のゲームが一般のユーザーに偏見を持たれることのなかった時代で、すんなりと市場に受け入れられていたのである。しかし、時代が変わり誰もがパソコンを持つようになると、一般層がPCソフト業界のエロゲーの存在を認識するようになり、エロゲーとギャルゲーの安直な混同がなされるようになった。これにより『ときメモ』的なものは「手に取るやつはオタク」という踏み絵のようなソフトとして敬遠されるようになってしまったのである(同じような現象は『サクラ大戦』にも見られ、第一作からゲーム的内容は決してマニア向けの作りにはなっていなかったが、シリーズが進むほど結果としてコアなファン向けのソフトとならざるを得なかった)。もっとも、『ときメモ』はその拙く魅力のないキャラクターデザインがむしろオタク色を薄めて、一般的なソフトとして受け止められたのかもしれない。もちろん、これは皮肉なことだ。


注3
:下の注4・注5、両方を参照のこと。


注4
:1997年公開の映画『ときめきメモリアル』は内容的にゲームとほとんど関係のない代物だった。吹石一恵がオーディションでゲームのヒロイン「藤崎詩織」役に選ばれデビューを飾ったのだが、なんと映画における藤崎詩織はゲスト的な脇役。実際は榎本加奈子、中山エミリ、矢田亜希子、山口紗弥加らが演じる映画オリジナル・キャラクターが跳梁跋扈するアイドル映画で、少なくともゲームのファンでこの映画に満足した人は絶対にいないと断言できる。当然映画として成功するはずもなく、世間的には吹石一恵は資生堂のCMでデビューしたように扱われているし、「藤崎詩織」というよりは「近鉄バッファローズ元選手・現スカウトの吹石徳一の娘」として知名度が高い。この映画で吹石一恵が唯一報われた点は広瀬香美プロデュースで主題歌CD「セピアの夏のフォトグラフ」を出したことだが、以後彼女に歌の仕事はない。理由は……歌を聴けばわかる。
 また、この映画にコナミがどのように関わったのかも謎だ。映画のタイアップ局はフジテレビだったのだが、公開直前の時期に同局系「ニュースJAPAN」が“テクノ依存症”なる社会問題の特集を放送した。そこでは“テクノ依存症”という“病気”を発生させた元凶として『ときめきメモリアル』がヤリ玉に上げられており、一部で物議を醸すこととなった。結局番組の取材に応じたKCE東京(現コナミコンピュータエンタテインメント東京)がファンに謝罪文を出すに至ったのだが、「ときメモ」を病的なゲームとして叩こうというフジテレビと、とにかくテレビに取り上げてもらって宣伝効果を得ようというコナミの方針が大きく食い違っていたことは間違いない。もしかして映画『ときめきメモリアル』はコナミがフジテレビに単なる“名義貸し”を行ったということなのだろうか。そして、この一件での苦い経験が、コナミをやたらと名義(の権利)に執着する体質に変えてしまったという風にも深読みできる。まさか、そんなことはないと思うが。


注5
:OVA『ときめきメモリアル』はVol.1が1999年6月17日、Vol.2が10月8日に発売された。対談中でも触れているように私の周りに見た人が一人もいないので内容の紹介はできない。しかし内容の良し悪し以前の問題として、このリリース時期が最悪であった。OVAの製作発表は98年の12月であり、PS版「ときメモ」の発売から考えても余りに時間が経過しすぎている。また、「ときメモ2」の開発発表は97年春にリリースされており、98年秋の「ときめきメモリアル5周年記念イベント」ではオープニングムービーが公開済みであった。このように情報では「2」の話題がはるかに先行しており、OVAの製作はまったくもって今更という感が否めなかった。まして、「2」そのものの発売が99年11月25日。ファンがOVAにまったく見向きもしなかったとしても、仕方のないことだ。もしも実写映画を公開した97年夏というタイミングにOVAを発売していたら、結果はまるで違うものになっていたことだろう。


注6
:しかし、『ときめきメモリアル Girl's Side』に関してはアニメ化してもおかしくはない程の勢いが感じられる。


注7
:leafのビジュアルノベルシリーズVol.3『To Heart』は1997年5月発売。言うまでもなく18禁のPCゲームである。全年齢向けのPS版は99年3月の発売で、アニメは99年4月からの放送だった。つまりPS版とアニメは同時展開のメディアミックスとして製作されたと考えて良い。しかし、アニメの放送局は独立系UHF局が中心で、東京地方での放映がなかった。この辺にエロゲー原作のアニメに対する民放局の敷居の高さを感じる。また、アニメのクレジットでは「原作:AQUAPULUS(プレイステーション版「To Heart」より)」となっておりleafの名前は出てこない。


注8
:セガ・サターン専用ソフト『センチメンタル グラフティ』(1998)のこと。「せつなさ」をテーマにした恋愛シミュレーションゲームで、まさに『ときメモ』の二匹目のどじょうを狙ったソフトである。前評判は異常に高く、宣伝用の先行ディスクにプレミア価格がつくほどだったのだが、蓋を開けてみるととにかくゲーム性が最悪で「クソゲー」の名をほしいままにするソフトとなってしまった。しかし、このゲームを作ったNECインターチャネルはPCエンジンの頃から現在に至るまで、パソコン専用のギャルゲーをコンシューマ機に移植する仕事が中心になっているような会社であり、根っからのPCエンジンユーザーであった十五夜は発売前からこの会社の“オリジナル作品”という点で『セングラ』は疑問視していた。ゲームを一から作り上げるノウハウの浅い会社が、巧みなストーリー構成を要求される恋愛シミュレーションをいきなり作ろうとしても成功するはずがないのである。ただし、NECインターチャネルはことゲームの移植に関しては、妙な改変を加えることなくハードの特性とファンの欲求を満たして(ようするにヴォイスをつけるということだが……)PC版の良さを殺さない実直な仕事をしていると思う。なまじオリジナリティにこだわる会社は、移植の際に無駄な要素を付け加えて原典の良さを台無しにすることがある。例えばセガが移植したSS版『英雄伝説V 白き魔女』は、根っからのファルコムファンである十五夜を呆れさせる無神経な改変ぶりであった。『セングラ』に話をもどすが、結局このゲームは「甲斐智久CG画集」と位置けられるもので、キャラクターデザインが優れていればゲームとしてダメでもそこそこの人気が出るということを示してくれたのではないだろうか。その意味でまさに『ときメモ』の対極にあるゲームであると言えよう。


注9
:アニメ『センチメンタル ジャーニー』はゲーム『センチメンタル グラフティ』のキャラクターを元にした全12話のTVシリーズ。1998年4月から7月まで放映された。ゲームのヒロイン12人を各話ごとにフューチャーした、一話完結の短編連作であった。ゲームの方は“(笑)”の記号なしに語られることのない迷作であるが、実はアニメの方は十分に見るべきところがある。例えば「○○りゅん!」のセリフ回しで『セングラ』が嘲笑される最大の原因となっている永倉えみるの回は、旧校舎と想い出のラムネ瓶というまるで鈴木翁二かあるいは『Kanon』の先取りとも思わせる世界観でなかなかに良質なエピソードであった。ただし一話完結のため、各話ごとに当たりはずれがあるのは仕方のないところか。それでもこの『センチメンタル ジャーニー』の各キャラクターに焦点を当てたオムニバス形式は評判が高かったようで、後に『セラフィムコール』でも採用された(制作スタッフも共通の人が多い)。ただし当たりはずれはこっちの方がデカイ。
 ところでこの注を書くために色々調べていたら、珍しい物を発見したので御報告を。サンライズの『セラフィムコール』公式HPが放映期間を堂々と間違えている。ココに2000年と書いてあるが、正しくはこちらに書いてある1999年が正しいハズ。


注10
:『Kanon』につづくkey製作の18禁恋愛アドベンチャーゲーム第二弾。2000年のWin版発売から、その全年齢対象版、DC版、PS2版という『Kanon』とまったく同じリリース展開を駆け抜けた。今のところ『AIR』がアニメになるという話は聞かないが、もはや残されたメディア展開はアニメ化のみという感もある。


注11
:もとはelfの18禁ゲームである『下級生』(1996)の展開はもう少し複雑だ。ゲームを原作としたエルフ版OVA『下級生』(1997〜98)は全4巻でリリース、最終巻だけR指定という妙なシリーズであった。そのOVAの続編ではない形のゲーム原作の新作ストーリーとして99年7月放映TV版『下級生』となる。よって、エロゲーム→OVA→TVアニメという展開が正確な説明。TV版は前出の『To Heart』と放送局がほとんど同じで、東京地方での放映はなかった。やはり、エロゲー原作のアニメは受け入れられる間口が狭かったのだろう。ちなみに、ピンクパイナップルがゲーム発売以前に『下級生』というタイトルの18禁OVAを出しており、もちろんゲームとはなんの関係もない内容なので紛らわしい。よって、便宜上「ピンパイ版『下級生』」、「エルフ版『下級生』」といって区別しているのである。


注12
:あの『カウボーイビバップ』がテレビ東京で全話放送にならなかったのは、シリーズ中何話かの描写にテレ東がNGを出したからだと言われている。もっとも分かりやすいのは薬物がらみのエピソードに対する規制だが、フェイ・ヴァレンタインのきわどいビキニ姿なども引っかかったらしい。
 『七人のナナ』は製作段階の途中で放送局がテレビ東京に決まり、その時点で絵コンテにあったパンチラシーンが全て修正された。この話はかの高千穂遙がHPの日記で「知り合いのスタッフから直接聞いた」と暴露していたので非常に信憑性が高い。


注13
:フジテレビが87年〜88年に放送した『ミッドナイトアニメ レモンエンジェル』のこと。18禁アニメの草分け『くりぃむレモン』の流れをくむシリーズで「ちょっとエッチ」な路線だった。一方でこれはアニメとアイドルを合体させた企画で、主役キャラクター3人の声優がそのまま「レモンエンジェル」というアイドルグループとしてCDなどを出した。その中の一人が桜井智(現・櫻井智)であり、後に人気声優となった彼女はこの頃のことを自ら「私がアイドルをやってた時代」と表現していた。イベントなどでは「みなさん、なんで私が「アイドル時代」っていうと笑うんですか?」と客いじりをしていたぐらいなので、別に過去を隠そうというつもりもなく好ましい態度だ。


注14
:「少年マガジン」連載の一話完結短編連作形式の恋愛マンガ。原作・イタバシマサヒロ、作画・玉越博幸。『〜〜 2nd season』『〜〜 L-COOP』という続編シリーズがある。ゲーム化やアニメ化もされた。中学生男子のリビドーを刺激するシチュエーションと可愛い女の子をひたすら描き続けるマンガ。お約束とかマンネリなどという批判ももはや振り切って、読者サービスを提供し続ける姿は求道者そのものである。知る人ぞ知るエロ漫画家・砂さんは『BOYS BE…』を「ミニマル・アート」と評した。
 十五夜の言う「『BOYS BE…』レベルのエッチ」とは、作品の中で繰り返し描かれるパンチラ、胸チラ、不可抗力の胸タッチ、そしてキス、といった程度のことを指す。また、決してHまでいかないという意味も含む。とはいえ、『BOYS BE…』においてもごくごく稀にHまでいく回がある。


注15
:『BLUE GENDER』は1999年〜2000年、TBS系深夜に放送されたSFアニメ。とにかくシリアスな作品で、敵であるクリーチャーに人が喰われまくるし、準レギュラーキャラは次々と死ぬし、配島邦明のダークな音楽ともあいまって全体にグロい印象のアニメであった。さらに『エヴァ』のようなボイスはなかったものの、シリーズのクライマックスで主人公とヒロインのベッドシーンがまったく比喩表現を使わずに描かれた。深夜アニメという舞台で可能な表現のギリギリのラインを、確信犯的に突き詰めていた作品である。


注16
:それどころか十五夜はこの時点で『Kanon』のゲームすらプレイしていなかった。にもかかわらずこのお題で話をしていたのである。後に十五夜が『Kanon』をプレイするにいたる経緯は「往復書簡『Kanon』〜最後尾の旋律〜」の第一回に詳しい。


注17
:最終オンエアの週では、一晩に3話が一挙に放送された。ちょっとした映画を見るような気分である。その理由は分からないが、このようなタイムスケジュールは結局ビデオ・DVDの販売が主な目的であることを示している。それでも、ギャルゲー原作のアニメが東京キー局で放送されたことは快挙と言って良い(注7・注11参照)。


注18
:もちろんウソのリンク。『Kanon』のヒロイン月宮あゆが少女時代に言うセリフ「うぐぅ、あゆあゆじゃないもん……」が元ネタ。数々の決めゼリフで知られる『Kanon』の中ではかなり微妙なところを突いている。もちろん考えたのはゲーム未プレイの十五夜ではなく、たつきである。

注の文責:十五夜



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