
爆裂無敵 バンガイオー
さて、「一つのハードに対して1タイトルずつ紹介」のポリシーをこっそり頑なに守り続けた
原始の花嫁であるが、今回はNINTENDO64(以下N64)のタイトルを紹介しよう。
昔コナミの中で「コントラ」シリーズを手がけた偉業の天才プログラマー集団。トレジャーをみんなは知っているだろうか?
レイディアントシルバーガン。斑鳩などのアーケードゲームや、メガドライブ版幽々白書など、
飛び抜けた個性と絶妙のゲームバランスで常にユーザーをうならせてきた作品ばかりを作りつづけたカッチョイイ奴等だ。
おなじN64で発表したタイトル「罪と罰」はファミ通クロスレビューでプラチナ殿堂入りを果たすなど、
そのレベルの高さはみんなに保証されている。
そのトレジャー特有のゲームの面白さはそのままに、バカっぷりのみをスパークさせたのがこの「爆裂無敵バンガイオー」だ。
タイトルからしてアレだが、まずは登場人物の紹介とストーリーの紹介を先に行うことにしよう。


主人公はこの二人。左の少年がりき、となりの女の子がまみ。
これだけ見るとフツーのゲームに見えるから不思議でならない。
仲のよい兄弟で、熱血溢れるりきを、いつも陰で支える妹の姿がいじらしい。
ではシナリオだ。

ある日道を歩いていると、宇宙不動産屋のSF虎巣喪組(こすもぐみ)に
因縁を付けられるりき。
悪質な地上げとその傲慢さで地域住民に迷惑を掛けまくる虎巣喪組に、
りきはもう我慢がならなかった。
そんな時りきの父親が虎巣喪組のコンピューターにハッキング。
機密データを盗み出し、正義のロボット「バンガイオー」を完成させる。
当の親父はみつかってボコボコにされているが、そんなことはどうでも良い。
正義のロボットバンガイオーに兄弟二人で乗り込んで、SF虎巣喪組を壊滅させるんだ!!
と、まあ、かなりどうでもよさげなOPを見て、不安になってくる気持ちも伺える。
だいたいロボットの名前が番外王である。漢字で書くとそれだけでもうダメそうだ。
しかし!次に目前に広がるオープニング画面を見たら誰もがハートに火を付けざるを得ない!!

「勇気ある者だけがボタンを押してもいい」
というフレーズからしてすでに挑戦的だ!!
すでにゲームを始めるその時からプレイヤーは燃える!
さっそくゲームを始めるとするか!!燃えろ勇気!爆熱ファイヤー!!
プレイヤーは自分の名前を半ば強制的に入力させられたあとで、ステージセレクトをしなくてはいけない。

1ステージ、2ステージではなく。地獄の○丁目と表記されているのがたまらん。
また出撃が「突撃でぃ!!」キャンセルが「急に腹がぁ」なあたりなど、
トレジャーはどうしてしまったんだろうと思わざるを得ないセンスがユーザーの心をくすぐる。
しかしとりあえず選べるステージも初めは1丁目だけ。
無難に1丁目を始めるとしよう。
第一話「バンガイオー発進!」がかっこよくスタート!
せまり来る敵を叩きのめす大冒険の始まりです。
しかしこのゲーム、やればやるほどジャンルわけをするのがとてもむつかしい。
アクションのようで、シューティングのようで、うーむ。うむむ。と言ったところだ。
それをあっさり「釣りゲー」と言い張るトレジャースタッフの頭の悪さは突出すべき物がある。
しかしゲームそのものを侮ってはいけない。
そこはトレジャー。ゲーム自体はメチャメチャ面白いのがポイントだ。
まず主人公たちはバンガイオーに乗り込み、悪の不動産SF虎巣喪組が乱立させた
建物をぶっこわなくてはならない。
その建物に在住している罪無き住民達の断末魔の叫びが聞こえるが。気にせずぶっこわせ!
正義はワレにあり!!
建物を破壊すれば、りんごだの、みかんだの、すいかだのと言った果物が
アイテムとしてでてくる。それを採ればボーナスが入るのだ!!

今時みかんやバナナでボーナスもねえだろうと思う方もいるかもしれない!
安心してくれ!俺もそう思った!!
しかしその果物(正式名称「でかいスペースフルーツ」)を取ることでバンガイオーの必殺ゲージがたまっていく!
その必殺技たるや、キングストレートの15倍は強い!!
まずバンガイオーは基本的にミサイルを撃って攻撃をする。
りきが操縦するときは「誘導ミサイル」まみが操縦するときは「壁反射ミサイル」と
なるので、二人の切り替えをうまくやりながらゲームを進めるわけだ。
そして必殺ゲージを消費することで発射される「全方位アタック」は20〜100発のミサイルを
一斉に画面全体に撃つというミもフタもない代物。

最小の全方位アタック(20発)白い奇跡を描いているのが全部ミサイルです。
しかもこの全方位アタック。さらにもう一つ特徴があって、周囲に敵弾があった場合、
その敵弾の威力×20発のミサイルがボーナスとしてプラスされるという無茶苦茶っぷり。
つまり具体的に言うと

こうなるわけである。(ちなみに画面上には220発の壁反射型ミサイルが飛び交っている)
ハッキリ言ってもう何がなんだかわからない。
とにかくなんだか爽快なのは確かだ。
64(あるいはドリキャス)の性能をフルに使っても処理落ちするこのミサイルどもは敵、建造物、味方にいたるまですべてを破壊し尽くす超パワー。破壊のカタルシスを満たすにはスマッシュTVに並ぶ最高のゲームといえよう。
しかし開発スケジュールが短かったのか、随所に手抜きの跡が見られる。
とはいっても、ステージ構成などの作り込みを激しくしすぎてデモ画面が適当になった。という点が非常に微笑ましい。
逆のパターンに陥っている某ゲーム会社に見習って欲しいくらいだ。
具体的にどんな手抜きかというと、
同じ敵キャラばかり出てくる(グラフィックが用意できなかったんだね)
同じCGで違う名前の敵キャラがいっぱい出てくる(グラフィックが用意(以下略))
味方キャラまで敵として出てくる(グラフィッ(以下略))
下書きのままキャプチャーしたキャラまででてくる((前略)たんだね)
といったダメっぷり。ちなみにこの点はDC版では改善されている。なぜならDC版の方が発売日が後だから。
しかも初めのうちは「バンガイオー発進!」とかそれらしい内容のサブタイトルも
20面を越えたあたりから「バンガイオー大ピンチ!サラダ油で動く」などのおかしな方向に進み(もちろんストーリーにサラダ油は出てこない)
35面を迎える頃には「やる気ある子供に!私たちが応援します」だの「秘境ギアナ高地に幻のクレオパトラを見た」だのもはやその辺に書いてあった文章を適当に入力したとしか思えない内容になってくる。
3Dのゲームがはびこる中、2Dに命をかけ、命をかけすぎた結果ちょっとアレな感じになってしまった名作「爆裂無敵バンガイオー」
見かけたら是非購入する事を(普通に)オススメする。